要望・意見書

「地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書」を提出しました

中野区議会 立憲・国民・ネット・無所属議員団提案の意見書が採択され、中野区議会として関係省庁の各大臣宛てに「地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書」を提出しました。

なお、同じタイミングで自民党から同趣旨の意見書の提案があったため、文言を調整した上で両会派からの共同提案となりました。

全会一致

地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを求める意見書

地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約については、地方自治体における契約事務の能率的な行政運営を図るために定められたものである。

本区においては平成26年度1万3,012件のうち約93.4%、令和4年度1万2,554件のうち約91.1%が少額随意契約である。

しかしながら、規定されている契約の限度額は、昭和57年10月以降改正されず、特に工事又は製造の請負の限度額は、これまでの建設工事費の上昇や消費税の導入経過等を経ても改正されていない。

また、委託契約においても、これまで30%を超える物価水準の上昇があるにもかかわらず、限度額が50万円に据え置かれている。そのため、契約の発注者・受注者双方とも、その範囲内での契約を締結せざるを得ない状況に強いられている。

今後も物価水準や労務単価の上昇などにより、その範囲内に収まらない契約が増加することは必至である。事実、区においては少額随意契約よりも事務量が大きい競争入札件数は平成24年度861件に対し、令和4年度1,122件と増大しており、働き方改革に逆行している。

このような状況の中、内閣府が実施している「地方分権改革に関する提案募集」において上限額の引き上げが提案されたり、指定都市市長会が「少額随意契約の予定価格に関する指定都市市長会要請」を国に提出したりと、自治体から制度見直しを求める声が挙がっているものの、現時点において具体的な動きは見られない。

契約の透明性を担保しつつ、物価・労務単価水準に見合った新たな随意契約の限度額を設定することで、入札に係る事務や経費等の負担軽減が図られるとともに、適正な金額設定での工事・委託の請負が可能となる。加えて、現状、都道府県と市町村では限度額に違いがあるが、自治体の規模や契約金額にかかわらず、競争入札に係る手間は同等かつ対象事業者も概ね同じであるため、その金額差の解消も急務である。仮に都道府県の限度額を区に適用した場合、140件程度が少額随意契約案件となり、年間1,000時間以上の事務削減効果が見込める。

よって、中野区議会は、国会及び政府に対し、現状の物価・労務単価水準に見合った随意契約額となるよう、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に定める少額随意契約の限度額の見直しを強く求める。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 あて

中野区議会議長

中野区議会HPにPDF掲載:
https://kugikai-nakano.jp/gian/24321184748.pdf

意見書とは

地方公共団体の議会は、地方自治法第99条の規定に基づき、国会に対して意見書を提出することができます。