2024年3月27日~3月28日、会派で熊本県宇土市と合志市に伺いました。
(1)宇土市震災復興について(3月27日)
平成28年4月に発生した熊本地震で、市内は大きな被害を受け、本来であれば災害対策本部として機能すべき市庁舎までも被災しました。
令和5年5月8日に共用開始となった新庁舎は、震災復興計画における防災拠点として位置付けられ、その機能向上が求められました。
新庁舎建設において震災復興を強く意識した点について学んできました。
ポイント
- 耐震性能は一般的な建築基準の1.5倍。熊本地震では非常用電源が使えなかったため自家発電設備を整備。上水受水槽、下水用排水貯留槽等も確保。
- 災害時に災害活動ができるスペースがなかったことが課題だったため、防災拠点となるスペースと市役所機能のスペースとのゾーニングに工夫。
- 1階には市民交流スペースが置かれ、そこが市民活動活性化につながるよう時間外も開放ゾーンとした。
「阪神・淡路大震災や東日本大震災を踏まえ、準備もしていたが、想定外のことが起きた」
という言葉が印象的でした。中野区役所新庁舎の運用が始まった後も、今回の視察を活かすポイントがあれば提案してまいります。
(2)合志市マンガミュージアム・クリエイター塾について(3月28日)
合志マンガミュージアムは、既存のマンガ関連施設と異なる小規模かつ地域密着型の施設として、平成29年に開館しました。
年代ごとにマンガ資料約6万冊が収蔵され、子ども、親、祖父母の三世代が共に時間を過ごせるように工夫されています。
ただの展示となってしまうケースも多いマンガ事業ですが、見識ある館長の下、利用者ファーストの空間づくりがなされており、地域の子どもから高齢者まで多くの人の居場所として機能しています。マンガ関連施設の新たな在り方として参考になりました。
「合志市クリエイター塾」は地元を離れてしまう傾向にあった若い世代の定着を促す施策として始まった事業で、現在では映像による興業を目的として毎年100名以上の卒業生を輩出しています。
中野区でもクリエイターへの支援をどのようにしていくべきかが課題となっています。
「合志市クリエイター塾」では、卒業後の実績づくりもサポートし、スタートアップ支援も兼ねる仕組みが新しく、大いに示唆に富む内容でした。