2023年12月20日〜22日、中野区議会 立憲・国民・ネット・無所属議員団で兵庫県洲本市、淡路市、徳島県上勝町に伺いました。
1、洲本市複合施設S BRICK(12月20日)
洲本市では、旧カネボウ工場跡の一部をリニューアルし、令和3年から子育て世代を含め幅広い世代が気軽に利用できる施設「S BRICK」として活用しています。
多世代をテーマに、親子でのびのびと遊べるキッズベース、ものづくり等の体験を育むクラフトベース、学習やワークのためのオープンスペースであるシェアベースなどが一体となることで、多くの人々が集まる地域のにぎわい、交流の場となっていることが印象的でした。
民間の力を活用すること
「S BRICK」の運営は、淡路島の企画会社「shimato works」に委託されており、実際にお話を伺う中で運営にかける熱意や実現したい理想が伝わってきて、まさに民間活力の可能性を強く感じました。
2、淡路市小学校跡地活用SAKIA、その他学校跡地施設について(12月21日)
旧尾崎小学校跡地を再開発し、令和4年にオープンした複合施設が「SAKIA」です。
「食・アート・学びと地域」の融合をコンセプトとしたコミュニティ施設として、小学校の校舎を利用した建物は、1階にはレストラン、ベーカリー、こども図書館、ロボットプロミング教室、3階にはコワーキングスペースがあります。
地域ごとのニーズを解決する学校跡地活用
校舎は再開発する一方で体育館はそのまま残し、公民館、避難所の機能を維持するなど、地域から求められる役割をしっかりと担っているためか、再開発時に地域からの反発が全くなかったという話には驚かされました。
他小学校跡地も地域ごとに活用されており、学校再編に伴う跡地活用は中野区においても喫緊の課題、大いに示唆に富むものでした。
・のじまスコーラ
https://nojima-scuola.com
・さの小テラス
https://awajikanko.com/sanosyo/
・ ei-to(エイト)
https://awajishima-eito.com
3、徳島県上勝町木質バイオマス事業、彩ビジネス、ゼロ・ウェイストについて(12月22日)
上勝町の86%を占める森林資源の有効活用策として間伐材などをチップにし、森林温泉施設燃料に利用している事業です。
原油価格が高騰している現在は、地産地消かつコストを抑えた燃料として活躍しています。環境施策としての先進的な取り組みとして参考になりました。
マイナスな状況から新しい文化や事業を生み出す
「彩ビジネス(上勝町いろどり)」は、大寒波によりみかんの木が全滅し大打撃を受けたことをきっかけに、町をあげての農家の新ビジネスとして始まった葉っぱビジネス。
料理の彩りとして使われる「つまもの」ですが、料亭等からの注文をITシステムを活用して確認し、個人が直接受注して出荷する形態となっているのがユニークです。
全体の売り上げは年間2億4千万~6千万円にのぼっているそうです。中には年間2000万円稼ぐ農家さんも!
上勝町は「ゼロ・ウェイスト」宣言をしており、町民がゼロ・ウェイストセンター内にあるゴミステーションへゴミを持ち込み、自ら45種類に分別する方式となっています。
細かく分別することで焼却・埋め立てごみから資源を救い、処理費用も大幅に抑えることができます。資源化率は80%だそうです。
(ゴミの持ち込みが難しい高齢者には2ヶ月に1度ゴミの回収を実施とのこと)
”上勝町は法規制や財政上の理由から「ごみをできるだけ燃やさないために多分別をする」という独自のごみ処理を始めました。その噂を聞きつけてやってきたのが、アメリカでゼロ・ウェイストを提唱し、焼却炉の建設計画を中止に導いてきた化学者のポール・コネット博士です。博士が町で行った講演で、町民は初めて「ゼロ・ウェイスト」の理念を知り、話に釘づけになりました。そして、博士の勧めを受けた上勝町は2003年、日本の自治体として初めてのゼロ・ウェイスト宣言を行いました。”
https://zwtk.jp/history/
まだ使える不用品はセンター内にある「くるくるショップ」に持ち込むことができます。持ち込みは町民のみですが、持ち帰りは無料でどなたでも持ち帰ることができます。
「彩ビジネス」も「ゼロ・ウェイスト」の取り組みも、ピンチをチャンスに変えていく精神によって生み出された点が興味深いです。
中野区での各種施策や提案に活かしてまいります。