立憲民主党・無所属議員団提案の意見書が採択され、中野区議会として関係省庁の各大臣宛てに「子育て支援策に係る所得制限を撤廃し子育て支援の拡充を求める意見書」を提出しました。
立憲民主党・無所属議員団、自民党、公明党、共産党、内野議員、渡辺議員、小宮山議員、吉田議員、竹村議員
むとう議員、近藤議員、石坂議員、立石議員
子育て支援策に係る所得制限を撤廃し子育て支援の拡充を求める意見書
少子化による生産年齢人口の減少は経済成長の制約や社会保障制度そのものの基盤を不安定にすること等が懸念されます。そうした中、国や東京都が実施する子育て支援策には所得制限が設けられているものが多く、支援の対象から外れてしまう子どもが多くいる現状です。
「令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金」では、支給対象が児童手当を受け取っている960万円未満の世帯(モデル世帯)とされ、中野区では33%の子どもが対象外となりました。加えて、児童手当は、令和4年10月支給分より世帯主の収入が所得制限限度額(1,200万円)を超える世帯については特例給付が停止されました。幼保無償化、障害児手当、いわゆる高校無償化や大学無償化と呼ばれる各種支援策のいずれにおいても所得制限が設けられています。
昨年9月に公表された内閣官房兼内閣府規制改革・行政改革担当大臣直轄チームの分析レポートは、社会給付を考慮した共働き世帯において可処分所得の逆転が生じている可能性があることが分かったと報告しています。頑張って働いて収入を増やした結果、納税額が増えたのに子どもへの給付がなくなってしまうという事態に直面すれば、自分たちが子どもを持つことが社会に歓迎されていないと感じることとなります。
内閣府の「令和2年度少子化社会に関する国際意識調査報告書」によると、子どもを増やしたくない理由で最も多く選択されたのは「子育てや教育にお金がかかるから」で、51.6%と他の選択肢に比べ圧倒的な多さです。また、子ども・子育て支援を実施するために必要な財源確保のための負担増を受け入れるとする回答は約6割です。我が国の将来を担う子どもたちに予算を割いていくことは、未来に対する投資です。普遍主義の理念に基づき、親の所得にかかわらず全ての子どもを平等に扱うことは、誰もが子どもを産み育てやすい社会の形成につながり、出生率の改善にも寄与するものと考えます。
よって、中野区議会は、国会及び政府に対し、児童手当をはじめとした各種子育て支援策に係る所得制限を撤廃し、子育て支援を拡充することを強く求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣(少子化対策) あて
中野区議会議長
地方公共団体の議会は、地方自治法第99条の規定に基づき、国会に対して意見書を提出することができます。