討論・議会報告

議員提出議案第1号「議会の議決にすべき事件等に関する条例の一部を改正する条例」に対し賛成討論を行いました。

中野区議会令和7年第1回定例会にて「中野区議会 立憲・国民・ネット・無所属議員団」を代表して、森たかゆき議員が議員提出議案第1号「議会の議決にすべき事件等に関する条例の一部を改正する条例」についての賛成討論を行いました。

全会一致

賛成討論の原稿は以下の通りです。

賛成討論

上程中の議員提出議案第一号議会の議決すべき事件等に関する条例の一部を改正する条例につきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から賛成の討論を行います。

本議案は、議会の議決すべき事件等に関する条例第一条に、(仮称)中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業の事業推進に関する基本協定の変更又は解除等についての定めを追加するものです。

総務委員会での審査においては、令和4年12月20日付で現在の施工予定者と締結した基本協定については解除すべきこと、当該事業の今後の推進において議会の関与を担保すべきこと、この2点については提案者と我が会派の見解が一致していることを確認させていただきました。他方、その実現の手段として基本協定を議決対象とすることが本当にベストなのかについては疑問が残るところです。

本議案が成立すると、すでに結ばれている基本協定の解除や変更について事後的に条件が追加されることとなります。

区議会対応は区の役割であることから法の不遡及の原則に反することにはならないでしょうが、現実的には区以外の関係機関にも影響を及ぼすことになることに引っ掛かりを感じます。また、基本協定の締結は市街地再開発事業の推進において法的に必須のものではありません。

我が会派としては、議会の議決という公的な手続きは法定の手続きの中で行う方がふさわしい、具体的には、施工認可申請前に法的に必須となる区長の事業計画への同意の際に議会の議決を必要とする形の方が良いのではないかと考えます。

本来であれば、この点は見解の違いで済ますのではなく少し時間をかけてベストな方法を議会全体で議論したかったところですが、多くの同僚議員が今定例会で結論を出すことを求めていたようですので、我が会派としても一旦今回の提案内容で賛成とさせていただきます。

ただし、基本協定締結が任意である以上、今後改めて行われるであろう公募で選定される事業者と区が基本協定を結ぶか否かは定かではなく、したがって今回の条例改正で議会の関与が完全に担保されたわけではありません。

この点について総務委員会での質疑では、提案者が将来については柔軟な考えをお持ちであることを確認させていただきました。再改正が必要になる可能性も考えられるため、事業の進捗状況を確認しながら必要に応じて再度議会全体で議論していくべきと考えます。

本議案が成立した場合、法的には当事者の意向にかかわらず議員提案で協定解除の議案を提出することが可能となることも懸念事項でした。

この点については、総務委員会の審査の中で、そうしたことは想定していないしすべきことでもないという提案者の認識を確認させていただきました。この認識は議会全体で共有しておくべきことと考えます。

本議案が提案された後に、区から現行の基本協定の解除に向けて動く意向である旨の報告がありました。

区が現行の基本協定解除に向けて動こうとしている中、それを議決対象とすることにどういった利点があるのか、解除に向けたハードルを一つ追加しているだけのようにも感じます。この点については総務委員会の質疑を通じてもなかなかはっきりしなかったところですが、いずれにしても課題になるのはスケジュールです。

当該事業の現状を考えると、まちづくり全体の検討は時間をかけて行えばよいと考えますが、基本協定の解除がなければ検討の素材となる情報収集の段階で制約が生じることとなります。

無駄な時間を費やすことのないよう、総務委員会での提案者からのご答弁にもあった通り、臨時会の開催など議会としても柔軟な対応が求められることになると考えます。最後にこの点についても議会全体で共有させていただいて、我が会派の賛成討論とさせていただきます。

引き続き、皆さんの声もお寄せください。