中野区議会令和6年第3回定例会にて「中野区議会 立憲・国民・ネット・無所属議員団」を代表して、森たかゆき議員が第8号陳情「桃園第二小学校の改築に際し、環境と地域の要望を踏まえた校庭の使用を求める陳情」に対し、反対討論を行いました。
自民、公明、都民ファースト、無所属(むとう、小宮山、石坂、立石、吉田、井関(れいわ))
立国ネ無、共産、無所属(斉藤けいた(維新))
原稿は以下のとおりです。
反対討論
上程中の第8号陳情「桃園第二小学校の改築に際し、環境と地域の要望を踏まえた校庭の仕様を求める陳情」について、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から反対の討論を行います。
本陳情の趣旨は、桃園第二小学校の校庭の仕様を「人工芝にしない」ことを要望するものです。趣旨の中には、「同校に関わる保護者、関係者、地域の要望に耳を傾けること」との記述もあり、我が会派としてはこの点については賛同するものであるため子ども文教委員会での審査において陳情者に複数回確認させていただきましたが、陳情者の思いは、あくまでも「人工芝にしない」ことを求めるところにあるとのことでした。その思いと趣旨の文書から考えると、本陳情の賛否は、人工芝の選択肢を残すか残さないかが問われるものであるということは明らかです。
委員会審査の中では、教育委員会の説明が丁寧さ欠いていたこと、地域との話し合いが不足していることが陳情者から訴えられました。学校は子どもたちの学舎であるだけでなく、地域コミュニティの中心でもあり、そこには多くの方々の多様な思いがあります。
桃園第二小学校校庭では、四季折々に、地域の方々による様々な行事が子どもたちと地域のために開催されていて、中にはキャンプファイヤー、盆踊り、地区祭りなど火器を使用するイベントもあります。こうした活動に一定の制約が生じる可能性があるならば、陳情の趣旨の一部にあるように、保護者や関係者の要望に耳を傾けるとともに、これまで地域にて子どもたちのために活動して下さった方々のご意見をしっかりと伺い、膝を突き合わせての説明も必要だったと考えます。
一方、「人工芝にしないことを求める」ことについて改築推進委員会として意見が一致しているわけではないとのお話もありました。我が会派の所属議員が各々伺っている範囲でも地域の意見は様々で、その中には「人工芝での改築を早期に進めること」を求める声もあります。また、本陳情や第一号請願を受けて、我が会派の所属議員それぞれが、これまで整備してきた人工芝の学校の子どもや保護者、地域の方々のご意見を改めて伺ってまわりましたが、概ね好評でした。学校現場からも、短い時間でも子どもが校庭で遊べたり、授業の準備時間が削減できて子どもに向き合う時間が増やせたり、クッション性が高く大きな怪我の防止になったりと、人工芝のメリットは大きいとの声を聞いています。
仮に人工芝以外での校庭整備を前提とした場合、もともと限られた敷地の中での教室・キッズプラザ等に使える床面積の減少、大幅なスケジュールの遅れ、事業者との協議の行き先が不透明になることなど、様々な懸念点もあります。また、改築推進委員会の資料では、地域行事の実施に関して、一部は難しいものの、人工芝でも学校でお祭り等の行事を実施できる案が示されていました。こうした情報がどれだけ地域で共有されているかという点にも疑問が残ります。
私たち区議会議員の仕事は、住民代表として区政の様々な課題を議論して結論を出すことです。地域で意見の分かれている課題であっても議会として一定の結論を出す必要がある場合もあります。しかし、現状は地元地域での議論が尽くされたとは言い難い状況であり、議会の判断で「人工芝」という選択肢をなくしてしまうことは時期尚早であると考えるため、本陳情には反対といたします。
教育委員会には、人工芝で整備した場合と、土での整備をした場合との比較検討が可能な資料を整えた上で、改めて地域での合意形成に向けた努力をすることを強く求めます。
以上をもちまして我が会派の反対討論といたしますが、同僚議員の皆様には何卒ご賛同賜りますよう、よろしくお願いいたします。
以上
引き続き、皆さんの声もお寄せください。