中野区議会令和6年第3回定例会にて「中野区議会 立憲・国民・ネット・無所属議員団」を代表して、いのつめ正太議員が認定第1号「令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算」についての賛成討論を行いました。
立国ネ無、自民、公明、共産、都ファ、無所属(石坂、小宮山、立石、斉藤、井関)
無所属(むとう、吉田)
原稿は以下のとおりです。
賛成討論
認定第1号議案「令和5年度中野区一般会計歳入歳出決算」について、「立憲・国民・ネット・無所属議員団」の立場から賛成の討論を行います。
令和5年度普通会計決算は、歳入決算額が2,039億円余、歳出決算額が1,986億円余となり、実質収支比率が3.8%、経常収支比率が71.2%といずれも適正値におさまっていることから、財政指標を総合的に見ると財政は健全と言えます。主な特徴としては、区役所新庁舎整備、平和の森小学校用地購入、急激な物価高騰およびそれに伴う各種給付金給付が挙げられ、財政規模が膨らむ一方、歳入増に支えられるかたちとなりました。
本決算は、「新たな財政運営の考え方」に基づいた予算編成手法によって初めて執行されたもので、基金においては、計画通り積立を行うことができました。他方、財政指標や「新たな財政運営の考え方」で設定された適正値や目標値は、正しいものとは限りません。時代に則した指標をとらえるよう、不断の努力を求めます。
歳入では、特別区民税が納税者一人当たりの所得額が増加したため3億円増加し、徴収率が23区平均と同水準に達したことを大いに評価します。また、景気動向に影響を受ける特別区交付金が前年度から26億円増加、都支出金が51億円、繰入金が65億円増加しました。
歳出では、扶助費が21億円増加し、公債費が86億円増加しました。特に新庁舎整備や小中学校の施設整備のため、投資的経費では258億円の増加が見られ、公債費負担比率は23区平均を大幅に上回る8.1%となりました。
起債に関しては、起債額の大きい新庁舎整備、平和の森小学校用地取得、学校施設整備を予定通り行ったうえで、一般財源の充足により他に予定していた8件の起債を取りやめたことを評価いたします。
今後、基金と区債の利率上昇や物価高騰が予測されるため、歳入や剰余金を見極めて区債の発行を抑制する取り組みが必要です。また、学校を含む施設整備が続く中で、減価償却費25%の積立では対応できない可能性があり、改定される区有施設整備計画の中で明らかにされることを求めます。
個別の事業では、子どもの貧困対策の推進、ひとり親家庭支援、若者育成支援、妊娠から子育てにかかる切れ目のない相談支援体制の充実、小中学校の指導体制・組織体制の充実、ひきこもり支援、スクールロイヤーの配置、医療的ケア児支援の連携体制の拡充、子育て支援ハンドブック「おひるね」の発行、ヤングケアラー支援、男子HPVワクチン任意予防接種 費用助成、多文化共生事業の推進などについて、大きく評価いたします。引き続き時代に即した新規事業を的確に行うとともに、行政評価制度を機能させ、適宜見直しを行い、次年度予算編成に活かしていくことを求めます。
また、令和5年は生成AI元年とされ、先端技術革新によるデジタル化が大きく動いた年でもありました。中野区においては、新庁舎整備に向けた区民サービス向上、職員の働き方改革のためのITインフラ整備、多機能ユニファイドコミュニケーションツールの導入、ホームページのリニューアル、LINEを活用した情報発信や情報収集、区民活動を幅広く共有できる「ためまっぷ」の導入など、庁内DXを含むデジタル政策を加速させたことを評価いたします。今後の効果検証を踏まえた改善、有効活用のための取り組みにも期待します。
中野駅新北口駅前エリア再整備について、事業の進捗に課題が生じているとのことです。今後、遅れに伴って生じるコストの負担のあり方や、再検討の範囲をどこまでにするのかなど、区として様々な判断が求められることとなります。区民の財産を守り活用していく観点からの取り組みを求めます。
今後も、災害対応や物価高騰など時々の社会状況に対応していくこととなります。区民に寄り添う施策を実現する、持続可能な財政運営を求めて、認定第一号議案の賛成討論といたします。
以上
引き続き、皆さんの声もお寄せください。