討論・議会報告

令和4年度「中野区一般会計歳入歳出決算」及び「介護保険特別会計歳入歳出決算」の議案に対し賛成討論を行いました。

中野区議会令和5年第3回定例会にて「中野区議会 立憲・国民・ネット・無所属議員団」を代表して、間ひとみ議員が認定第1号「令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算」についての賛成討論を行いました。

立国ネ無、公明、共産、都ファ、無所属(石坂、小宮山、立石、斉藤、井関)

自民、無所属(むとう、吉田)

賛成討論の原稿は以下のとおりです。

賛成討論

ただいま上程されました認定第1号、令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定 及び認定第5号中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定につきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から賛成討論を行います。

令和4年度普通会計決算は、歳入決算額は1694億円余、歳出決算額は1622億円余となり、健全化判断比率の4つの指標も全て早期健全化基準を下回っており、こうした指標からも概ね健全な財政状況であると言えます。弾力性を示す経常収支比率は前年度をさらに2.3ポイント下回る70.4%となり、3年連続で23区平均を大幅に下回りました。

経常収支比率が必要以上に低過ぎては「果たして経常的な行政サービスが適切に行われているのか」ということが問われます。新型コロナや物価高騰への対策で臨時的な経費が増えていることや、そもそも歳入が増えていることで経常収支比率が下がっているのは23区共通ですが、中野区はその傾向がより顕著です。その要因を丁寧に分析し、今後の財政運営、区政運営に反映していただくことを求めます。

財政の弾力性があっても、施策ニーズに対して、区が独自事業を次々と打ち出していけるような余裕のある職員体制でないことは大きな課題です。令和5年度に定数上限を2,000人から2,100人に引き上げましたが、現状では児童相談所職員とケースワーカーの増員で手一杯な状況に見えます。7か月後には区役所新庁舎への移転を控えています。

少子高齢化・人口減少をむかえ、世の中全体が人手不足の中でも区民の課題を解決し暮らしを支えるためにも、DX推進・人材育成におけるスピード感が必要です。区の財政状況に余力がある今、こうした行政基盤を整える時期と考えます。

歳入においては、特別区民税徴収率は23区平均をついに上回り、滞納繰越分を含めた徴収率は、前年度から0.3ポイント上昇し97.4%となりました。ここ数年の様々な取組みの効果が出ており、改善されていることを大変評価します。引き続きの努力を求めます。

特別交付金については、令和3年度から5年度までの3年間で新庁舎整備分が1/3ずつ分割して交付されているとのことですが、ここ3年の特別交付金の予算額にそれが反映されているようには見えません。それ以前から特別交付金は予算額と決算額の乖離が大きく、改善を求めます。

歳出においては、低所得のひとり親家庭へ5万円、子育て世帯への生活応援として2万円を臨時給付し、コロナ禍における国民健康保険料の減免制度の期間延長を行うなど、様々な施策を打ち、対応してまいりました。一方で、区独自で行った施策は少なかったように思います。適切なタイミングを逃さず、必要があれば財政出動を行うことを求めます。

財政調整基金について、9億円余の積み漏れがあったことは、指標の経年比較をする上で判断にも影響が出かねません。今後ヒューマンエラーが起きぬ様、システムを導入するなどチェック体制の改善を求めます。

また、令和4年度は悲願であった区独自の児童相談所が開設され、運営が始まった年度でありました。この間、業務にあたられた職員の皆様の奮闘に感謝申し上げます。初年度にかかった運営費は人件費を含めておよそ15億円でした。区独自の児童相談所設置に伴い、都区財政調整制度の配分割合見直しの協議が続いていますが、区長には、配分割合見直しに向けて区長会等を通じての引き続きのご努力をお願いいたします。議会の側としても出来ることに取り組んで参ります。

個別の事業では、

  • コロナ禍で失われた子どもの体験を取り戻すための体験活動の拡充
  • 町会・自治会・友愛クラブをはじめとする地域活動の再開活性化支援
  • 電子商品券事業支援
  • 子どもの貧困対策の推進
  • 若者支援事業拡充
  • 若者会議の設置
  • 産前産後ケアの充実
  • 一時預かり事業の拡充
  • 養育費の取決めに係る費用補助
  • 夏休みの子どもの居場所づくりと学校図書費大幅増による読書活動の推進
  • ひきこもり支援事業
  • 認知症地域支援事業
  • 公契約条例の運用開始
  • 人材育成マネジメントシステムの導入
  • 高断熱窓・ドア助成

などを評価いたします。

また、食材費の高騰のため、学校給食食材費の一部公費による調達を行い、今年度は物価高騰対策としての学校給食費相当分を小中学生の子どもを持つ家庭に支給する補正予算が出され、今年度は10月から3月までの半年分が実質無償化となりますが、次年度以降も何らかの形での支援の継続を求めます。

認定第5号中野区介護保険特別会計歳入歳出決算については、これまでの堅実な事業運営を評価しています。しかし、令和4年度の基金残高は28億円余に達しました。今後は漫然と積み立てを続けるのではなく、第9期介護保険事業計画に向けて、持続可能な制度運営のためにも、区として一定の考え方を持って基金を積み立て、介護事業を行っていくべきと考えます。

結びに、多様な人々が集い、つながり、個々の能力を発揮し、手を取り合って共に生きる中野となる様、求めて認定第1号・第5号議案の賛成討論といたします。

以上

引き続き、要望と提案を行っていきます。

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