視察・勉強会

【開催報告】「今だから学びたい!子どもを守る、医療との関わり方」第3回りっけん中野・こども部 区政報告&勉強会を開催しました。

小児科医・大阪母子医療センター新生児科医長でもあり、講談社モーニング連載コウノドリの漫画・ドラマの医療監修を務められた今西洋介氏を講師に、第3回りっけん中野・こども部 区政報告&勉強会をオンライン開催しました。

内容を簡単にまとめましたので、参加できなかった方もぜひお読みください!

【8/21(土)りっけん中野・こども部 第3回】産科医療漫画コウノドリ監修者の一人、今西洋介氏に聞く 「今だから学びたい!子どもを守る、医療との関わり方」
2020年8月21日(土)10時〜11時30分
ZOOMによるオンライン開催
参加費:無料
https://rikken-nakano.net/2021/08/10/kodomobu-3/

子どもにまつわる医療情報はよくも悪くもあふれており、そして今、新型コロナなどの新たな感染症の流行、ワクチンについての情報不足など、不安な状況が続いています。

講師の先生に、新生児医・小児科医の立場から、子どものための医療や医療情報との関わり方、正しい情報に基づいて選択するためのヒントをたくさんいただきました。

第一部では「中野区のコロナ対応とワクチン接種状況」を報告

りっけん中野・こども部メンバーから、現在の中野区のワクチン接種状況やコロナ感染状況とその対策などを報告しました。

中野区内では、8月18日現在で65歳以上の81%がすでに2回目を接種済。しかしながら国・東京都からのワクチン供給量に限りがあり、すぐに予約できない現状となってしまっています。

また、中野区の基本計画・区有施設整備計画等が現在パブリックコメント手続き中であることを伝えました。

第二部は今西先生の講演「情報を見分ける、子どものための医療との関わり方」

1、新型コロナウイルスと子ども

・子どもにはこれまで重症者はあまりいなかった。デルタ株はこれまでと比較して5倍の致死率となっており、子どもも罹患している。これらを踏まえて危機感を持って対策をとっていくべき。

ワクチン接種は現状12歳以上の子どもが対象。接種は勧めていきたい。6~11歳は治験中。妊婦への接種も週数を問わず推奨される。

・日本は、他国と比較してワクチンに対する不信感が断トツに強い。啓発していく必要がある。 免疫の仕組みは難しいので、わかりやすい広報が大事。
参考:厚労省のHPコロナワクチンナビ
https://v-sys.mhlw.go.jp/about/

・感染だけではなく、子どものメンタルへの配慮も必要。

2、子どもに関する正しい情報の取り方〜真実とデマ〜

・日本の子育て環境においては「エビデンスより経験」「苦労が美学の社会」といった歴史が残っており、デマに惑わされる母親だけを責められない状況がある。

・様々な育児デマがある。「授乳中の服薬はNG」「ビタミンK投与により死亡リスクあり」「ハイハイする前に立つ子どもは課題がある」など、全てデマ。公的な団体からも情報発信があるので見てほしい。

デマに惑わされないためには下記がポイントだろう。
👉厚労省や日本小児科学会など、公式団体の発信をベースに考える。
👉エビデンスを重視した発信に耳を傾ける。
👉情報源を一つにしない。特定の思考を持ったグループからの情報を見続けてしまうことがないように!
👉利権の絡む発信は身を引く。特定の商品の購入やサービスを勧めてくるようなものは×。

3、コウノドリのお話

・医療監修として撮影現場に立ち会った。キャストはヘルスリテラシーの高い方も多く、充実した現場だった。

「10代の出産」がテーマだったドラマの一部を紹介。

14歳で妊娠。重ねられた話し合いのもと、特別養子縁組の制度を利用することで出産を決意。出産を見守る父親となる少年は「自分は何もできない」とつぶやく。赤ちゃんは新しい両親の元へ……産まれてきたばかりの赤ちゃんを手放さなければならない若い2人。「このことをしっかり受け止められる大人になるように」とスタッフから声がかけられる場面に、思わず涙でした。

コロナ禍で10代の妊娠が増えている。知識不足も大きい。大きな課題として考えていく必要があるだろう。

質疑応答を行いました

Q①:コロナが心配。デルタ株がおさまるまでは外出は控えた方がいいですか?

デルタ株の脅威は大きい。不要不急の外出は控えた方がいい。

Q②:マスク生活の、子どもの発達への影響は?

何らかの影響は今後出てくるかもしれない。ウレタンマスクは効果がない。不織布マスクを使うようにしたほうがいい。

Q③:学校が始まったら?

これまでの第4波までより慎重に見るべき。ただ、学校に行かないデメリットは大きいので総合的な判断をされたい。

Q④:子どもへのワクチン接種が不安。

接種しないで重症化するリスクは大きい。接種はお勧めしたい。

「世のお母さん、お父さんへ。子どもは育児書通りに育ちません。正しい情報を知ることから始めましょう。社会全体で子育てしましょう」と、先生から力強い言葉をいただきました。

参加された方の感想を一部紹介

・デマ情報が多いことを再認識しました。

・情報のエビデンス(証拠・根拠)を気にするように心がけたい。

・コロナにどう向き合っていけばいいか、指針を得られました。

・コロナワクチンについて知っておくべき点が分かり、参加してよかった。

講師の先生はもちろん、参加くださった皆さん、お手伝いくださった皆さん、本当にありがとうございました。

これからも、りっけん中野・こども部は、区政&勉強会を企画していきます。

中野区は「子育て先進区」として、すべての子どもが大事にされ、子育てがしやすい環境が整っている「子育てに優しいまち」そしてそのゴールとして、すべての子どもたちの目が生き生きしている「子どもが元気なまち」中野を目指しています。

テーマへのご要望や、その他区政への疑問やご意見がありましたら、いつでもお気軽に各議員、または会派控室までお寄せください。

りっけん中野・子ども部とは?
子ども施策を考える、中野区議会立憲民主党・無所属議員団有志の活動グループ。メンバー:中村延子/斉藤ゆり/河合りな